桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

初めて抱いた恋ごころ


1学期が終わり、高校に入って初めての夏休み。

ほぼ毎日のようにみんなとメッセージを取り合ったり、4人でどこかにおでかけしたり、陽向と2人でスイーツを食べに行ったりしている。

こんなに、夏休みを満喫してるのは初めてじゃないかなって思うほど毎日が楽しい。

気がつけば、夏休みが終わるまで残り1週間となっていた。

今、陽向はなにをしてるんだろう?

2日前に会ったばかりなのに、無性に陽向に会いたくなってきた。

陽向の声が聞きたいな。

そう思っていると、手に持っていたスマホが振動した。

画面を見てみると、電話の相手は美菜から。

一瞬、陽向からの電話かと期待してしまった。

ごめんね、美菜‥‥‥。

心の中で謝って、通話ボタンを押した。

「もしもし?」

『もしもーし! 蒼!』

電話越しに、元気そうな美菜の声。

「美菜、どうしたの?」

『あのね、30日にある夏祭りに4人で行こうと思うんだけど、蒼はどうかなって思って電話したの』

「そういうことだったんだ」

『うん! 夏祭りの最後には、打ち上げ花火があがるんだ。去年は、5000発だったのに、今年はなんと7000発!』

「凄い数だね」

『でしょ〜! 蒼はさ、この町に来て初めての夏祭りになるから、一緒に楽しみたいなって思ったんだけど、どうかな?』

私にとっては、初めての夏祭り。

陽向みたいに、私のこといろいろと考えてくれてるの嬉しいな。

「行きたい!」

『よし、決まりだね!』

「うん! 夏祭り楽しみ〜」

今から考えただけでも凄くワクワクする。
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