桜の花びらが降る頃、きみに恋をする
『あっ! そういえば、さっき陽向にも電話で誘ったんだ』
「ひ、陽向に⁉︎」
美菜と電話をする前まで、陽向のことを考えてしまっていたためか、いきなり話にでてきたその名前に過剰に反応してしまった。
『そうだよ。陽向に“夏祭り行かない?”って伝えたの。そしたら、陽向はなんて言ったと思う?』
「え〜! なに〜?」
陽向のことになると、もの凄く気になって仕方がない。
『陽向ってね、“蒼が行くなら行く”って言ったの!』
「なっ‥‥‥!」
『素直に、“行きたい”って言えばいいのにね〜!』
美菜はおかしそうにケタケタと笑ってるけれど、聞いてるこっちが恥ずかしくなる。
『蒼が行くことみんなに伝えとくね! 集合場所とかはあとで決めよ!』
「うん、分かった!」
8月30日、4人で夏祭りに行くことになった。
陽向に会える!
楽しみが1つ増えた。