桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

それからというものの、夏祭りでの集合場所や時間などを決めるため3人とメッセージグループで連絡を取り合った。

陽向からメッセージが届いた時は、それだけでもとても嬉しくて心が舞い上がってしまいそうになるし、返信を待っている時だってまだかなと楽しみにしている自分がいる。

そして、陽向に会いたい気持ちをさらに強くさせた。

それから、約1週間が経ち、待ちに待った夏祭り当日。

鏡には、お母さんから譲って貰った浴衣を纏う自分の姿。

浴衣は花柄なんだけど、白色をベースになっているから、少し大人っぽい印象。

でも、どこか可愛さをだしたくて髪型をアレンジした。

いつもは、ストレートの髪をそのままにするのに、今日はアイロンでゆるく巻いてる。

それに耳元には、以前、陽向に買ってもらった2つ並んだ星形の可愛いヘアピン。

陽向は、どんな反応してくれるかな?

変じゃないかな?

おかしくないかな?

ずっとそわそわして落ち着かない私は、早めに家を出ることにした。

引っ越ししてきた当時は、スマホのマップアプリで道を覚えるのがやっとだったのに、今ではどこに何のお店があると言えるまで覚えた。

それにほら、道路の反対側を見ると、放課後4人で食べに行ったクレープ屋さん。

今日は、第4水曜日じゃないから今はないんだけど、あの時、あまりの美味しさに感動したんだっけ?

また食べに行きたいな。

そう思いながらもう少し道を歩くと、以前、陽向と行った猫カフェが見えてきた。

あの頃、傷んだ心をたくさんの猫たちで癒されてもらったな。

それに、陽向のたくさんの笑顔を見れてとても楽しかった。

陽向と美菜と琉輝くん、一緒に過ごした日々を思い返しては思わず笑みが溢れた。
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