桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

それぞれ食事を終えた頃。

「ねぇねぇ、記念に写真撮ろう!」

美菜が提案した。

「いいね!」

「撮ろう撮ろう!」

私も含め、みんなが賛同する。

美菜がスマホを取り出し、インカメラにする。

「もっと近づいて」

美菜の指示で隣にいる陽向の方へ近寄ると、私の肩に手を回した陽向。

思わずドキッとしてしまう。

陽向と体が当たっているし、思わず顔を上げればすぐ近くに陽向の顔がある。

あまりの至近距離。

心臓が飛び出そうなほどドキドキバクバクしてる。

もう、これ、なんなの‥‥‥?

「蒼、笑って」

陽向が満面の笑みを向けてくれて胸のドキドキを必死に隠しながらなんとか頷くと、カメラに向かってとびっきりのスマイルを向けた。

「撮るよー! ハイ、チーズ!」

写真を撮り終えると、陽向は私の肩に乗せていた手を離した。

当たり前のことなのに、陽向と離れてしまい少しだけ寂しいと思った自分がいる。

「撮ったのみんなに送るね!」

美菜の言葉で我にかえる。

スマホを取り出すと、すぐに送られてきた。

みんな浴衣を着て、笑顔を浮かべている写真。

私にとって、お気に入りの写真になった。
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