桜の花びらが降る頃、きみに恋をする
「もう2人とも早く付き合っちゃえばいいのに。蒼ってさ、陽向のこと好きでしょ?」
「なっ‥‥‥!」
またもや美菜の言葉にびっくりしてしまい、顔までじゃなく耳まで熱くなってしまう。
そんな私の様子を見て、美菜はケタケタと笑う。
「あははっ! 図星って顔だね」
「い、いつから気づいてたの⁉︎」
「気づいてたもなにも最近の蒼を見てると、バレバレなの丸わかりなんだもん!」
「恥ずかしい‥‥‥」
私が自分の気持ちに気づくより、美菜はその前から気づいてたんだ。
「陽向ととてもお似合いだと思うよ」
「そ、そうかな‥‥‥? 私なんかより可愛い人たくさんいるし、それに陽向のファンがたくさんいるんだよ」
この前の夏祭りの時でも、陽向の凄さを再確認してしまったほどだ。
「まぁ、確かにいっぱいいるけど陽向は告られても全て断ってるんだよ」
「えっ?」
美菜の言葉に耳を疑う。
陽向はどんな時も優しく接してくれるから、絶対女の子と付き合った経験ありそうだと勝手に思ってた。
「それに、陽向は必要以外女子たちには話さない。だけどね、蒼にはたくさん話してる。少なくとも、蒼には気を許してるんじゃないかな」
美菜の言う通り、私たち以外の女子たちと話しているところあまり見たことがないけど。
「そうだと嬉しいな」
「きっとそうだよ。だから、自分に自信持って」
美菜に勇気づけてもらい、なんだか陽向と上手くいきそうな気がした。