桜の花びらが降る頃、きみに恋をする
久しぶりに1人で歩く帰り道は、とても孤独を感じた。
今まで、陽向が隣にいてくれた。
学校から帰る時も、休みの日も。
だけど、今は隣にはいない。
道路の脇に色付いている紅葉が風にのってはらはらと散りゆくその光景は美しい。
だけど、逆に切なさが増し、私の心の中で恋の終わりを告げた。
私は、どうすれば良かったのだろう?
陽向には好きな人がいるのを気づかないフリして友達のまま接していけば良かった?
それとも、気持ちを伝えたうえで“これからも友達のままでいよう”って伝えたなら、陽向とこうなることはならずに済んだ?
今も隣にいてくれた?
どんなに後悔しても、もう取り返しのつかない。
家に帰ると、すぐにベッドに潜り込んだ。
「‥‥‥うぅ‥‥‥っ」
我慢していた涙がとめどなく溢れてくる。
ーー『また、泣きたくなったらいつでも言って。すぐに駆けつけるから。だから、もう1人で泣いちゃダメだよ。分かった?』
‥‥‥なんで。
なんで、思い出すの。
今となっては、胸が痛いよ。
もう陽向との関係は終わったんだ。
私が終わりにしてしまったんだ‥‥‥。
これからは、ただのクラスメイト。
友達でもなんでもない。
もうこれ以上、陽向を好きになっちゃいけない。