桜の花びらが降る頃、きみに恋をする
「陽向になにがあろうと、いつでもお前の味方だってこと!」
「‥‥‥俺の、味方?」
そう聞き返すと、今度は美菜が強く頷いた。
「そうだよ! 陽向は1人じゃない。どんな時だって、私たちがついてるから」
2人の言葉が胸にストンと入った。
俺は、間違ってた。
1人になりたくて琉輝たちを遠ざけてた。
でも、そんなの意味がなかった。
辛い時には、頼れる存在がいるってこと。
どんな時でも、俺の味方でいてくれるってことに、思わず涙が出そうになった。
「あり、がとう」
「おいおい、急に泣くなよ! 気持ちわり〜」
‥‥‥ひどい。
さっきは、琉輝の言葉に感動したっていうのに。
「泣いてないし。目にゴミが入っただけだから」
袖でゴシゴシと拭って誤魔化そうとするけれど。
「うそつけ〜! お前、完全に泣いただろ!」
「ほんと泣いてないってば!」
からかってくる琉輝に少しムキになって返すが‥‥‥。
「ウソつかなくてもいいんだぜ、陽向?」
「あっ、ちょっ、やめろ〜!」
ニヤニヤしながら俺の髪をわしゃわしゃとしてくる琉輝に必死になって抵抗する。
なんでいつもこうやって俺をからかってくるんだか。
彼女である美菜にすればいいのにって思うけど、琉輝曰く美菜には恥ずかしくてできないらしい。