桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

7年越しに蒼と会って、薄々感じてはいたけれど、蒼は笑顔を浮かべることができないみたい。

気づけば、すぐに俯いてしまう。

もしかしたら、あの日のこと今も引きずっているのかもしれない。

蒼にいろいろと話したいことはたくさんあるけれど、まずは1つだけ気になっていたことを尋ねてみることにした。

‥‥‥出身中学。

もしかしたら、今まで蒼を見つけられなかったことが分かるかも知れないと思ったからで‥‥‥。

『隣の県にある中学に通っていたから』

まさか、蒼が隣の県に住んでいたなんて思いもよらなかった。

だから、蒼をなかなか見つけることができなかったんだ!

それから、蒼が1週間前に引っ越ししてきたことを知って驚きを隠せなかった。
< 158 / 209 >

この作品をシェア

pagetop