桜の花びらが降る頃、きみに恋をする
「‥‥‥はぁ。もういいよ」
琉輝は呆れたのかそう言って、食べ終わった弁当をバッグにしまうため自分の席へと行ってしまった。
俺も食べ終わった弁当を片付けると、机にうつ伏せになった。
ほんと、なにやってるんだろう。
大切な人たちを傷つけてばかり‥‥‥。
美菜が言った通り、俺は最低なやつだ。
「陽向、ちょっと来い」
いつの間にか、目の前に琉輝が戻ってきていてうつ伏せになっていた俺の腕を掴んで引っ張っていく。
「いきなりなに? ってか、痛いんだけど‥‥‥」
そう言ったものの、琉輝は全然離そうとしてくれない。
「いいから来いって!」
琉輝の声で、みんなが何事かと注目する。
俺はもう黙って琉輝の後をついていくことにした。
そういえば、俺、蒼に同じようなことした。
あの時、力加減忘れて握ってしまったから腕が赤くなってたし、きっと痛かっただろうな‥‥‥。
教室を出る直前、蒼を見た。
だけど、決して視線が合うことはなかった。