桜の花びらが降る頃、きみに恋をする
「私は、一ノ瀬くんに何度も振られてしまったけど後悔してないよ。自分の気持ちを伝えたことに意味があるんだよ」
「神崎さん‥‥‥」
「それに、今では一ノ瀬くんの幸せを願おうと思えることができた。一ノ瀬くんが幸せならそれでいいって。なのに、今の一ノ瀬くんは一ノ瀬くんらしくない! 全然笑わなくなったし、キラキラと輝いてない! 今までのスマイル王子はどこに行ったの⁉︎」
感情的に言葉を荒げる神崎さん。
その目は泣いていて、私は逸らすことなんてできなかった。
「お願いだから! もうこれ以上、一ノ瀬くんを悲しませないでよ!」
「‥‥‥っ」
その言葉は、私の心に痛いほど突き刺さった。
陽向を悲しませているのは、きっと私。
神崎さんまでも苦しませているのは、きっと私。
もう、全てが悪循環‥‥‥。