桜の花びらが降る頃、きみに恋をする
第4章 雪の結晶とともに
暗闇の先で、見つけた光
秋の季節は終わり、冬へと移り変わる。
はぁと吐くだけで白い息。
カイロを持ち歩いているけれどあまり効果はなく、身体だけではなく心まで悴む寒さ。
陽向とケンカした日から、あれから1ヶ月が経った。
それなのに、私はまだなにも思い出せずにいる。
琉輝くんが言っていたこと、陽向に直接聞けないし‥‥‥。
それに最近では、陽向は私に話しかけてくることはなくなった。
この頃、ずっと元気がないし、ちらっと横を見ると机にうつ伏せになっていることが多い。
私が冷たい態度を取り過ぎてしまったかもしれないけど‥‥‥。
ふと、神崎さんからの視線を感じた。
“なんで向き合わないの?”
そう目が訴えているかのように見えた。
私はまだ、陽向と向き合うことから逃げている。