桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

そして、迎えた放課後。

「蒼ちゃん! こっちこっち!」

美菜ちゃんたちに連れられてクレープ屋さんへと向かう。

私が引っ越してまもないことは、陽向くんだけじゃなく美菜ちゃんたちにも話したことがあるから知っている。

だから、美菜ちゃんは手招きしながら案内してくれる。

後ろには、陽向くんと琉輝くんが私たちの様子を微笑ましく見ながら歩いてる。

学校帰りに4人で帰るのは今回が初めて。

まして、寄り道をするなんてこれが初めてだ。

「あそこだよ!」

美菜ちゃんが指さしたのは、白いキッチンカー。

移動販売のクレープ屋さんで、辺りに甘い匂いが漂う。

それに、有名なクレープ屋さんだけあって、少し行列になってる。

「いつもは3人で食べに行くんだけど、蒼ちゃんが来てくれて嬉しいんだ! さっそく並ぼう!」

「うん」

美菜ちゃんの言葉に頷いて、みんなで列に並ぶ。

近くには、大きなスタンドボードにメニュー表が貼ってあって見てみると、30種類以上もあって少しびっくり。

陽向くんが言っていた通り、いろんな種類があるんだな。

しかも、お手頃価格だ。
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