桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

「ほんと、今日はラッキーな日だね! 幻のクレープ食べれるし、蒼ちゃんが一緒に来てくれて。しかも、蒼ちゃんの貴重な笑顔が見れるなんて!」

「だねー! 俺も嬉しい!」

私が笑ったことにとっても喜ぶ美菜ちゃんと一緒になって賛同する琉輝くん。

あの時、3人の中で1番驚いていたのは陽向くんだった。

ふと、視線を感じ陽向くんを見てみるとどこか懐かしげに私を見つめていた。

「‥‥‥やっぱり」

ぼそりと言った陽向くんのその言葉は、周りの声にかき消されてしまい聞こえなかった。

「‥‥‥?」

今、陽向くんはなんて言ったんだろう?

首を傾げると、陽向くんは柔らかい笑みを向けてくれた。

「蒼は、笑ってる顔が1番似合うよ」

今度は、はっきりと聞こえた言葉。

褒めてくれてなんだか恥ずかしいけど、お礼を言いたくなった。

上手く笑顔できてるか分かんないけど‥‥‥。

「ありがとう、陽向くん」

きみのおかげで前を向そうな気がするよ。
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