桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

空を見上げた先に


最近は、どの番組を見ても各地方で来週辺りから梅雨入りというニュースばかり。

ブレザーを着て気温はちょうど良かったのに、今では暑くてブレザーなしで白いシャツのままになるか、またはその上にカーディガンを羽織る人が多くなった5月中旬。

この前、高校入学したかと思えば気付けば約1ヵ月半が過ぎようとしていて、私は1日が過ぎるのが早く感じている。

それほど、陽向くんたちと一緒にいるのが楽しくて時間を忘れてしまうほどだ。

そして、今日は学校行事の一環でもあるスポーツ大会の日。

女子は体育館の半分を使ってバレーボール。

男子は体育館のもう半分を使ってバスケットボール。

私と美菜ちゃんは、一緒のチームでさっき私たちの試合が終わったところ。

結果は、A組に負けて惜しくも学年で2位となった。

「蒼ちゃん、今、琉輝たち試合してるから応援しに行こ!」

「うん!」

美菜ちゃんと一緒に体育館のエントランスにある階段を登って2階のギャラリーに行くけど、応援する人たちでいっぱいだ。

「あっ、あそこ空いてる!」

美菜ちゃんが指さした先は、人と人の間にちょうど2人分のスペースが空いていた。

そこから、陽向くんたちの試合をよく見渡せられる。
< 42 / 209 >

この作品をシェア

pagetop