桜の花びらが降る頃、きみに恋をする
‥‥‥スポッ。
見事バスケットゴールに入ると、そこで試合終了のホイッスルが鳴った。
それと同時に、たくさんの歓声が沸き起こる。
陽向くんの最後の決め手で優勝が決まったのだ!
さっきまでのハラハラドキドキとは打って変わって、抑え切れない高揚感に包まれる。
「陽向、ナイスシュート!」
「琉輝もナイスパスだったよ!」
陽向くんの周りに、同じチームの人たちが集まってハイタッチを交わしている。
「ほら、私が言った通り勝ったでしょ?」
「凄いよ、美菜ちゃん!」
「長年の付き合いだから、こんなもんは分かるんだよ」
「さすが幼馴染みだね」
そう喜んでいると、陽向くんたちは私たちがいるギャラリーの下まで駆け寄って来てくれた。
「美菜、蒼ちゃん、今の試合見た?」
琉輝くんの問いに「ばっちり見たよ〜!」と美菜ちゃんはVサイン。
「優勝おめでとう!」
そう伝えると、陽向くんは微笑んだ。
それだけで、周りから黄色い悲鳴が湧き起こる。
「きゃ〜‼︎ スマイル王子!」
「あの笑顔反則!」
うわ〜、凄い‥‥‥!
女子の視線が陽向くんに集中している。
だけど、当の本人はそんな視線を気にしておらず、私を見つめていてこっちがどうにかなってしまいそう。
「蒼、応援ありがとう!」
「‥‥‥!」
ちゃんと届いてたんだ!
陽向くんは、満足な笑みを浮かべて私に大きく手を振ってくれた。
その姿がなんだか可愛くて、私は小さく手を振り返した。