桜の花びらが降る頃、きみに恋をする
「やっと会えた」
「‥‥‥?」
ふと誰かに声をかけられた気がして横を振り向いてみると、右隣の席には、なぜか嬉しそうにしている男の子が座っていた。
思わず目を奪われてしまうほど明るくて素敵な笑顔を浮かべている彼。
まるで、太陽みたいでキラキラと輝いているかのように見える。
それに、スッとした鼻筋に、少しブラウンかかっている髪。
体格も良くて制服をシャキッと着こなしている。
座っているからあまり分からないけれど、きっと高身長だろう。
あまりのかっこよさに思わず見惚れてしまいそうになっていると、彼と目が合った。
「蒼」
‥‥‥!
「い、今、私の名前‥‥‥」
彼に名前を呼ばれて、動揺を隠せない。
しかも、呼び捨て‥‥‥。
まだ名乗ってもいないのに。
きみとは、今日初めて会うのに。
「知ってるよ」
となぜか自信満々で答える彼。
でも、次の瞬間。