桜の花びらが降る頃、きみに恋をする
「えっとね、入学式で陽向くんと初めて会った時、太陽みたいな人だなって思ったの」
「えっ? 太陽?」
「うん。明るくて笑顔が素敵で凄くキラキラと輝いていたから」
「ふっ、そんなに輝いてた?」
「とっても輝いてたんだよ!」
陽向くんは、あまりにも可笑しかったのか笑いながら尋ねるから、私はつい必死になってしまった。
「まぁ、でも、今ではこんなに意地悪をする人だなんて思ってなかったけど」
「ははっ! 蒼の反応が面白くてつい」
そう言う陽向くんは、やっぱり意地悪だ。
「もう、あんなこと言わないでね」
と、口止めすると‥‥‥。
「え〜、ダメなの?」
と、なぜか悲しい顔になって言ってくるから「ダメ! 絶対にダメ!」と言い返した。
陽向くんと話すのが楽しくて、家に着くのがあっという間だった。
「今日はありがとう。おでかけに付き合ってくれて」
「ううん。私の方こそ、連れてってくれてありがとう。とっても楽しかった!」
「俺もとっても楽しかったよ。また明日、学校で会おう」
「うん! また明日ね!」
笑顔で手を振って陽向くんとは別れた。