桜の花びらが降る頃、きみに恋をする
変わりゆく気持ち
迎えた次の日は、清々しい朝だった。
昨日よりだいぶ調子がいい。
喉の痛みや頭痛も咳も治っているし、体温を測ってみると熱もない。
やっと、学校に行ける!
ーーピロロン。
着信音がなってスマホを見てみると、陽向くんからメッセージ。
【おはよう! 蒼、体調のほうは大丈夫?】
今も私の体調を気にしてくれてるの嬉しいな。
朝からなんだかほっこりする。
【おはよう、陽向くん。昨日は、ありがとう! お陰様で元気になったよ。学校行くから待っててね】
そう返事を送り、学校に行く準備をした。
「お父さん、行ってきます!」
いつものように、お父さんの写真に手を合わせてから部屋を出た。
昨日の帰り際、陽向くんは私のお父さんに手を合わせたいと言った。
私の過去の出来事を聞いたからかもしれないけど。
『そんなことしなくてもいいのに』
そう言ったものの、陽向くんの決意は揺るがなかった。
『どうしてもしたいんだ』
陽向くんって、とても律儀な人なんだな。
丁寧に手を合わせる陽向くんの姿がやけに悲しげに見えたのは気のせいかな?
そんなことを考えながら、ドアを施錠してバッグに鍵を入れていたその時‥‥‥。