桜の花びらが降る頃、きみに恋をする
「なに、コソコソ話してるの?」
陽向くんにそう聞かれ、ギクリと体が反応する。
「やだな〜、陽向。私にやきもち妬かないでよ」
「妬いてない」
「またまたそう言って!」
美菜ちゃんは話を誤魔化すより、なんか陽向くんを茶化しているような‥‥‥。
「本当は、蒼ちゃんを抱きしめたいとか思ってるんじゃないの?」
美菜ちゃんの言葉で、顔がかぁと熱くなる。
今朝、思いがけない状況で抱きしめられたなんて美菜ちゃんには口が裂けても絶対言えない!
「な、なにを急に!」
それに、陽向くんも今朝のことを思い出したのか少し挙動不審になってる。
「あっ! もしかして図星だったりして⁉︎」
「おい、陽向! 正直なところどうなんだよ?」
琉輝くんも加わってからかうように陽向くんの髪をわしゃわしゃとする。
「ちょ、やめろって」
陽向くんは抵抗しているが、琉輝くんは止める気配がない。
この場をなんとかしなきゃ‥‥‥。