桜の花びらが降る頃、きみに恋をする
なにはともあれ、勉強会を始めることとなった。
「蒼って、苦手な教科とかあるの?」
「あっ、えっと、数学が1番苦手‥‥‥」
「じゃあ、数学を重点的に勉強しよっか」
「うん」
2人で1冊の教科書を見ながら陽向くんが教えてくれるけど、肩が触れ合いそうなほど近くてドキドキしてしまう。
今日の朝からずっと陽向くんのことばかり考えてしまう。
どうしてだろう?
今までこんなことなかったのに。
チラッと横を見てみると、ほんとかっこいい。
おまけに字も綺麗。
それに、運動神経も抜群でなにもかもが完璧だ。
って、いけないいけない。
勉強に集中しなきゃ。
「この問題は、こうやって解くんだよ」
「‥‥‥なるほど。そうやって解くんだね」
陽向くんの教え方が分かりやすくて、スラスラと解ける。
「答えこれで合ってる?」
「うん、合ってる! 蒼、凄い!」
問題を正解する度、陽向くんは褒めてくれて、
「えへへっ」
それがなんだかとても嬉しくて‥‥‥。
「じゃあ、次の問題してみよっか」
「うん!」
頑張る勇気をくれる。