桜の花びらが降る頃、きみに恋をする

なにはともあれ、勉強会を始めることとなった。

「蒼って、苦手な教科とかあるの?」

「あっ、えっと、数学が1番苦手‥‥‥」

「じゃあ、数学を重点的に勉強しよっか」

「うん」

2人で1冊の教科書を見ながら陽向くんが教えてくれるけど、肩が触れ合いそうなほど近くてドキドキしてしまう。

今日の朝からずっと陽向くんのことばかり考えてしまう。

どうしてだろう?

今までこんなことなかったのに。

チラッと横を見てみると、ほんとかっこいい。

おまけに字も綺麗。

それに、運動神経も抜群でなにもかもが完璧だ。

って、いけないいけない。

勉強に集中しなきゃ。

「この問題は、こうやって解くんだよ」

「‥‥‥なるほど。そうやって解くんだね」

陽向くんの教え方が分かりやすくて、スラスラと解ける。

「答えこれで合ってる?」

「うん、合ってる! 蒼、凄い!」

問題を正解する度、陽向くんは褒めてくれて、

「えへへっ」

それがなんだかとても嬉しくて‥‥‥。

「じゃあ、次の問題してみよっか」

「うん!」

頑張る勇気をくれる。
< 96 / 209 >

この作品をシェア

pagetop