恋が落ちた日
心臓がうるさい。
彼がさっきまでの表情から想像できないくらい明るく笑った。つられて私も笑みが溢れた。笑顔を見れたことがとても嬉しい。
「別に大したことではないので。」
これ以上は心臓が持たないと思ってすぐに帰ろうと思った。これはチャンスだけど私にはそれほどの勇気はない。
階段をのぼろうと段差に足をあげた。
「大したことですよ。俺なら多分しないことだと思います、それに‥。」
どうしよう、ドキドキが増す。
期待してしまっている。
おちつけ私。
そう言い聞かせた。
「これ彼女に貰ったものなんです。だから、本当に助かりました。」