学園怪談
辺りにブスブスと肉の焼け焦げる嫌な匂いと煙が広がる。
おじさんは濁った焦点の定まらない目で土方君を見ると、ゆっくりと近寄っていった。
「狂ってる……こいつ、狂ってる!」
一人逃げ出すこともしなかった彼は、ガタガタと震えながら後ずさった。
ガクッ!
「うわあ!」
後ろに置いてあったゴミ箱につまずき、倒れこみながらゴミを被った。
おじさんは何も喋らないまま、恐怖で腰を抜かした土方君を掴み上げると、ゆっくりと焼却炉を振り返った……。
……。
淳さんの話が止まった。
「それで……土方君はどうなったんですか?」
「彼は焼却炉に放り込まれそうになりながらも必死で抵抗した。両手を焼却炉の淵で火傷し、顔にも醜い火傷跡を作ってしまったけど、命に別状はなかった。」
私は少しホッとした心地でイスに座りなおした。
「警察沙汰になって、おじさんは殺人未遂の容疑で逮捕された。土方君も転校してしまって、今では誰も知ることのなくなった話だけどね」
焼却炉で焼かれるのはゴミとは限らない……。
この学園には、まだまだ私の知らない怪談が存在するのだろうか?
おじさんは濁った焦点の定まらない目で土方君を見ると、ゆっくりと近寄っていった。
「狂ってる……こいつ、狂ってる!」
一人逃げ出すこともしなかった彼は、ガタガタと震えながら後ずさった。
ガクッ!
「うわあ!」
後ろに置いてあったゴミ箱につまずき、倒れこみながらゴミを被った。
おじさんは何も喋らないまま、恐怖で腰を抜かした土方君を掴み上げると、ゆっくりと焼却炉を振り返った……。
……。
淳さんの話が止まった。
「それで……土方君はどうなったんですか?」
「彼は焼却炉に放り込まれそうになりながらも必死で抵抗した。両手を焼却炉の淵で火傷し、顔にも醜い火傷跡を作ってしまったけど、命に別状はなかった。」
私は少しホッとした心地でイスに座りなおした。
「警察沙汰になって、おじさんは殺人未遂の容疑で逮捕された。土方君も転校してしまって、今では誰も知ることのなくなった話だけどね」
焼却炉で焼かれるのはゴミとは限らない……。
この学園には、まだまだ私の知らない怪談が存在するのだろうか?