学園怪談
第33話 『パンツマン現る!』 語り手 石田徹
続いて徹さんの話が始まった。
もうこれで何週目が終わるのだろうか? たしか……そうそう4週目だったはずだ。私は随分続いたものだと感心しながら徹さんに向き合った。
「さて、この学園には怖い怪談ばかり存在するが、今回は我々ハンドボール部が遠征で訪れた旅館で起きた恐怖の出来事を紹介しよう」
また学園内の話ではないが、徹さんは自信たっぷりで話し始めた。
……。今年の夏、ハンドボール部は男女総勢20名程で、群馬県の山奥に遠征試合に来ていた。他にも新潟県、長野県からもハンドボール部の中学生が集まり、リーグ戦を行ったりしてお互いの技量を高めあっていた。この合同合宿所で起こった事なんだけど。
……。
「山はいいな~」
合宿所に向かう途中のバスの中で、俺のハンドボール部の親友である庄田は感慨深げに声を上げた。
「お前は山派か、俺は海が好きなんだがな」
もう一人、これまた仲の良い水沢という俺の親友が会話をしていた。
俺達の合宿所は群馬県の山奥の中学校の隣で、バスは朝早くに出発したものの、休憩なんかを挟んで到着したのは陽ももう落ちかけた夕方だった。
「いや~、くたびれたな。こんなに山奥とは思わなかったぜ」
「お、でももう練習をしている奴らもいるな」
俺の言葉に水沢が答えた。
集まった各県のハンドボール部は、この旅館に寝泊りして、明日より行われる交流戦を2泊3日で行うのだ。
この宿には1階に大きな大浴場があり、練習や試合の疲れを癒すにはなかなか良い感じだった。
「そうか~、お前らの学校じゃあ美人教師が多いのか~。羨ましいな」
人気者の庄田は早くも他県の生徒達とも仲良くなったらしく、湯ぶねで雑談をしているのが聞こえてくる。
「そうだ。まんず、田舎とはいえ今年は部員にもカワイイ子が揃って、ちっとだけどな、いい感じだぁ」
他県の生徒の訛った楽しげな言葉も聞こえてくる。
「いいねえ。じゃあ明日の女子の試合が楽しみですな」
庄田は坊主頭の上にタオルを置き、いかにも風呂に入ってますといった感じでくつろいでいた。
「おいとら、この旅館でな、変な怪談があるのを知っとるか?」
俺と水沢が湯ぶねに加わった所で、地元群馬の生徒が神妙な顔つきで話し始めた。
続いて徹さんの話が始まった。
もうこれで何週目が終わるのだろうか? たしか……そうそう4週目だったはずだ。私は随分続いたものだと感心しながら徹さんに向き合った。
「さて、この学園には怖い怪談ばかり存在するが、今回は我々ハンドボール部が遠征で訪れた旅館で起きた恐怖の出来事を紹介しよう」
また学園内の話ではないが、徹さんは自信たっぷりで話し始めた。
……。今年の夏、ハンドボール部は男女総勢20名程で、群馬県の山奥に遠征試合に来ていた。他にも新潟県、長野県からもハンドボール部の中学生が集まり、リーグ戦を行ったりしてお互いの技量を高めあっていた。この合同合宿所で起こった事なんだけど。
……。
「山はいいな~」
合宿所に向かう途中のバスの中で、俺のハンドボール部の親友である庄田は感慨深げに声を上げた。
「お前は山派か、俺は海が好きなんだがな」
もう一人、これまた仲の良い水沢という俺の親友が会話をしていた。
俺達の合宿所は群馬県の山奥の中学校の隣で、バスは朝早くに出発したものの、休憩なんかを挟んで到着したのは陽ももう落ちかけた夕方だった。
「いや~、くたびれたな。こんなに山奥とは思わなかったぜ」
「お、でももう練習をしている奴らもいるな」
俺の言葉に水沢が答えた。
集まった各県のハンドボール部は、この旅館に寝泊りして、明日より行われる交流戦を2泊3日で行うのだ。
この宿には1階に大きな大浴場があり、練習や試合の疲れを癒すにはなかなか良い感じだった。
「そうか~、お前らの学校じゃあ美人教師が多いのか~。羨ましいな」
人気者の庄田は早くも他県の生徒達とも仲良くなったらしく、湯ぶねで雑談をしているのが聞こえてくる。
「そうだ。まんず、田舎とはいえ今年は部員にもカワイイ子が揃って、ちっとだけどな、いい感じだぁ」
他県の生徒の訛った楽しげな言葉も聞こえてくる。
「いいねえ。じゃあ明日の女子の試合が楽しみですな」
庄田は坊主頭の上にタオルを置き、いかにも風呂に入ってますといった感じでくつろいでいた。
「おいとら、この旅館でな、変な怪談があるのを知っとるか?」
俺と水沢が湯ぶねに加わった所で、地元群馬の生徒が神妙な顔つきで話し始めた。