学園怪談
二人とも声を出せずにいたところに、また何人かの声が聞こえて来た。
「お、バットとヤニだ。あいつら来てるみたいだな」
「でもいなくねえ? 便所でも行ってんのかな?」
「まあいいよ、俺達も遊ぼうぜ」
再びの来訪者の事よりも、僕達は花壇から目を放せなかった。
目の前の花の蕾が……さっき死んだ1年生の顔に変わっていたのだ!
「と、とととととと、徹!」
「ああああ、あああああ!」
僕たちは恐怖でまともに喋れなかった。さっき見た光景だって異常なのに、今見ている光景はあまりにも予想外だったからだ。
「さーて、ピッチャー第1球振りかぶって投げました~」
誰かの声がして、一人の男が蕾に向かってバットを振りかぶった。
「や、やめてくれえええええ!」
蕾になった1年生の顔が泣き叫ぶ声を上げたが、彼らには聞こえておらず、その姿もただの花にしか見えていないようだった。
ブン! グシャアアア!
「ぎゃあああ!」
「バッター打ちました!」
嫌な音と共に蕾の男の頭が飛んでいった。
「お~、ホームラン!」
タバコを咥えたままの男がやる気のない拍手をする。
「じゃあ次は俺ね」
別の男がバットを握り、もう一人の蕾の前に立った。
「や、止めて! 頼む! やめてくれええええ!」
僕たちは男の叫び声と、再び聞こえた断末魔を背に、何も言わずに立ち上がると、ゆっくりと帰宅することにした。帰り際に聞こえてくる複数の男達の悲鳴を耳にしながら、徹とゆっくり話しながら帰った。
「植物って本当にたくましいな」
「そうだね」
……。
私は窓の外から花壇を覗いた。
そこには夜の風に微かに揺れる花々が映るだけだ。
「キミも植物は大切にね」
淳さんの言葉を聞いて、花たちは一斉に嬉しそうに揺れた……。
「お、バットとヤニだ。あいつら来てるみたいだな」
「でもいなくねえ? 便所でも行ってんのかな?」
「まあいいよ、俺達も遊ぼうぜ」
再びの来訪者の事よりも、僕達は花壇から目を放せなかった。
目の前の花の蕾が……さっき死んだ1年生の顔に変わっていたのだ!
「と、とととととと、徹!」
「ああああ、あああああ!」
僕たちは恐怖でまともに喋れなかった。さっき見た光景だって異常なのに、今見ている光景はあまりにも予想外だったからだ。
「さーて、ピッチャー第1球振りかぶって投げました~」
誰かの声がして、一人の男が蕾に向かってバットを振りかぶった。
「や、やめてくれえええええ!」
蕾になった1年生の顔が泣き叫ぶ声を上げたが、彼らには聞こえておらず、その姿もただの花にしか見えていないようだった。
ブン! グシャアアア!
「ぎゃあああ!」
「バッター打ちました!」
嫌な音と共に蕾の男の頭が飛んでいった。
「お~、ホームラン!」
タバコを咥えたままの男がやる気のない拍手をする。
「じゃあ次は俺ね」
別の男がバットを握り、もう一人の蕾の前に立った。
「や、止めて! 頼む! やめてくれええええ!」
僕たちは男の叫び声と、再び聞こえた断末魔を背に、何も言わずに立ち上がると、ゆっくりと帰宅することにした。帰り際に聞こえてくる複数の男達の悲鳴を耳にしながら、徹とゆっくり話しながら帰った。
「植物って本当にたくましいな」
「そうだね」
……。
私は窓の外から花壇を覗いた。
そこには夜の風に微かに揺れる花々が映るだけだ。
「キミも植物は大切にね」
淳さんの言葉を聞いて、花たちは一斉に嬉しそうに揺れた……。