学園怪談
……次の日、コンクリートの中から学園長先生が遺体で発見されました。そして、他にも人柱となった骨がいくつも見つかったそうです。でも……もっと驚いたことは、中には生きたまま埋められた死骸もいくつか出てきたという事です。その中には外国人のものも複数あったということでした。
後で用務員さんから聞いた話では、学園長先生は戦争に参加した人で、何人もの外国人兵の捕虜を殺害していたそうです……。
……斎条さんは再び手を合わせて黙祷を捧げた。それにあわせるかのように、他の皆も私も黙とうを捧げた。
「後は私の推論ですが、たぶん学園長先生は外国人兵を何人も地下道に生き埋めにしたんだと思います。それで地下道でいつまでも消えることのない怨念が、ああして人の形となって姿を現していたんじゃないでしょうか? 学園長先生が襲われたあの日、あの日は戦争の終結した日付でした。」
ゴクリと誰かが唾を飲む音が聞こえた。
「怖いですよね。やっぱりひどく恨みを残したまま死ぬと、人間は浮かばれずに悪霊になってしまうのでしょうか? そんなことがあってから、私は雨の日になると、あちこちのシミが人の形に見えることがあって怖くなります」
「結構たくさん見えたりするんですか?」
私はつい尋ねてしまった。
「はい。もうそこらじゅう人型のシミだらけです」
私はテーブルに出来たコップの水滴が作った水の形すらも、人の形に見える気がしてきた。大丈夫だ、人に恨まれるようなことはない筈だ……そんなことを考えていた。
後で用務員さんから聞いた話では、学園長先生は戦争に参加した人で、何人もの外国人兵の捕虜を殺害していたそうです……。
……斎条さんは再び手を合わせて黙祷を捧げた。それにあわせるかのように、他の皆も私も黙とうを捧げた。
「後は私の推論ですが、たぶん学園長先生は外国人兵を何人も地下道に生き埋めにしたんだと思います。それで地下道でいつまでも消えることのない怨念が、ああして人の形となって姿を現していたんじゃないでしょうか? 学園長先生が襲われたあの日、あの日は戦争の終結した日付でした。」
ゴクリと誰かが唾を飲む音が聞こえた。
「怖いですよね。やっぱりひどく恨みを残したまま死ぬと、人間は浮かばれずに悪霊になってしまうのでしょうか? そんなことがあってから、私は雨の日になると、あちこちのシミが人の形に見えることがあって怖くなります」
「結構たくさん見えたりするんですか?」
私はつい尋ねてしまった。
「はい。もうそこらじゅう人型のシミだらけです」
私はテーブルに出来たコップの水滴が作った水の形すらも、人の形に見える気がしてきた。大丈夫だ、人に恨まれるようなことはない筈だ……そんなことを考えていた。