学園怪談
第1話 『禁断の書』 語り手 石田淳
「さて、それじゃあ僕の話からはじめさせてもらうね」
最初の話を始めてくれたのは新座学園の2年生、石田淳さんだ。色白で大人しそうな性格のように見える。徹さんとは双子の兄弟ということらしいけど、徹さんの方は日に焼けて少し色黒で健康そうなのに全く対照的だ。
「僕は文芸部に所属している。だから図書室でよく読書をするんだけどね……」
そこで淳さんはジッとこちらを見て聞いてきた。
「きみは読書は好きな方かな?」
どちらとも言えず、とりあえず黙っていると。
「まあ人並みには読むのかな? 僕はね、読書っていうのは何も小説とかエッセイのような活字を見なければダメとは思わない。別にマンガとか絵本だって、そこから得るものがあったなら立派に読書だとおもうからね」
見た目と違い思ったよりはラフな感じの人なのかもしれない。
「それでね、まあ図書室には変な噂があるのは聞いたことあるかな? 『禁断の書』っていうんだけどね」
ききなれない言葉に私は興味を引かれずにはいられなかった。
「この学園の図書室は、そりゃあ小さな図書室だ。蔵書の数だって市のどの中学と比べても少ないと思う。そんなこといったら校長は気分を悪くしちゃうかな?」
……図書室には『禁断の書』という悪魔の本が眠っているらしい。別に僕も見た訳じゃない。ただこれは去年卒業してしまった先輩から聞いた話なんだ。
この学園では創立してからの50年もの間に、何人もの生徒が行方不明になってしまってるんだ。
警察は校舎内も、もちろん校舎の外もくまなく探したよ。でも行方不明になった生徒達は誰一人として見つからなかった。
他の生徒の話じゃ、最後に見かけたのはこの図書室だって言う話もあったらしい。
でも、図書室には人の隠れられるスペースなんてない。もちろん何か特別な隠し部屋みたいなものがあるわけでもない。
じゃあ、いったい彼らはどこに消えてしまったのだろう?
どう思う?
「さて、それじゃあ僕の話からはじめさせてもらうね」
最初の話を始めてくれたのは新座学園の2年生、石田淳さんだ。色白で大人しそうな性格のように見える。徹さんとは双子の兄弟ということらしいけど、徹さんの方は日に焼けて少し色黒で健康そうなのに全く対照的だ。
「僕は文芸部に所属している。だから図書室でよく読書をするんだけどね……」
そこで淳さんはジッとこちらを見て聞いてきた。
「きみは読書は好きな方かな?」
どちらとも言えず、とりあえず黙っていると。
「まあ人並みには読むのかな? 僕はね、読書っていうのは何も小説とかエッセイのような活字を見なければダメとは思わない。別にマンガとか絵本だって、そこから得るものがあったなら立派に読書だとおもうからね」
見た目と違い思ったよりはラフな感じの人なのかもしれない。
「それでね、まあ図書室には変な噂があるのは聞いたことあるかな? 『禁断の書』っていうんだけどね」
ききなれない言葉に私は興味を引かれずにはいられなかった。
「この学園の図書室は、そりゃあ小さな図書室だ。蔵書の数だって市のどの中学と比べても少ないと思う。そんなこといったら校長は気分を悪くしちゃうかな?」
……図書室には『禁断の書』という悪魔の本が眠っているらしい。別に僕も見た訳じゃない。ただこれは去年卒業してしまった先輩から聞いた話なんだ。
この学園では創立してからの50年もの間に、何人もの生徒が行方不明になってしまってるんだ。
警察は校舎内も、もちろん校舎の外もくまなく探したよ。でも行方不明になった生徒達は誰一人として見つからなかった。
他の生徒の話じゃ、最後に見かけたのはこの図書室だって言う話もあったらしい。
でも、図書室には人の隠れられるスペースなんてない。もちろん何か特別な隠し部屋みたいなものがあるわけでもない。
じゃあ、いったい彼らはどこに消えてしまったのだろう?
どう思う?