学園怪談
第45話 『シュートを続ける幽霊』 語り手 山﨑大介
さて、大ちゃんさんの話が始まる。どうやら今回はまたスポーツネタに戻るようである。
「よし、それじゃあ俺の話を始めるとしよう。いつだったかは忘れたけど、この学園に藤野智美っていうバスケ部の女生徒がいた。彼女は入部1年目で見事にレギュラー入りを果たし、新座学園の弱小バスケ部を県大会優勝まで押し上げた原動力となったほどのプレイヤーでね。私立の高校からも注目を集め、将来を有望視されていた。でも、彼女が32年生の冬のこと……」
……。
「う~ん、なんか最近足が熱っぽいなあ」
自宅で、藤野は今までにない痛みというか、熱っぽさを右足に覚えた。
「どうかしたの? 病院に行ってくる?」
「ううん、いいや。どうせ大したことないだろうし、成長期特有のものかもしれないじゃない?」
笑顔で笑う藤野に、母親も笑顔で応えた。
「そうね。もしかしたら背が伸びるんじゃない? 足が伸びる時とかってむず痒くなったりするでしょう」
母親の適当な理屈を苦笑いで聞きながら、いつもの日常の会話がかわされていた。
……でもね、確実に不幸は彼女を蝕み始めていたんだ。
ドシィィン!
「きゃあああ!」
ある冬の放課後、部活の最中に、藤野はリバウンドをとる際に数人ともつれあって転んだ。
さて、大ちゃんさんの話が始まる。どうやら今回はまたスポーツネタに戻るようである。
「よし、それじゃあ俺の話を始めるとしよう。いつだったかは忘れたけど、この学園に藤野智美っていうバスケ部の女生徒がいた。彼女は入部1年目で見事にレギュラー入りを果たし、新座学園の弱小バスケ部を県大会優勝まで押し上げた原動力となったほどのプレイヤーでね。私立の高校からも注目を集め、将来を有望視されていた。でも、彼女が32年生の冬のこと……」
……。
「う~ん、なんか最近足が熱っぽいなあ」
自宅で、藤野は今までにない痛みというか、熱っぽさを右足に覚えた。
「どうかしたの? 病院に行ってくる?」
「ううん、いいや。どうせ大したことないだろうし、成長期特有のものかもしれないじゃない?」
笑顔で笑う藤野に、母親も笑顔で応えた。
「そうね。もしかしたら背が伸びるんじゃない? 足が伸びる時とかってむず痒くなったりするでしょう」
母親の適当な理屈を苦笑いで聞きながら、いつもの日常の会話がかわされていた。
……でもね、確実に不幸は彼女を蝕み始めていたんだ。
ドシィィン!
「きゃあああ!」
ある冬の放課後、部活の最中に、藤野はリバウンドをとる際に数人ともつれあって転んだ。