学園怪談
「教頭先生をクビにして! あの人むかつくのよね~、セクハラとかもしてくるし」
しかし、美鈴先生の言葉にマコトは拒絶の意を示した。
「人が不幸になる願いは聞き入れられねえだ。アンタにだけ幸福が訪れる内容でねえとな」
相手は座敷わらしなのだから最もな理由だと思い、美鈴先生は仕方なく願いを変えた。
「じゃあ、仕方ない。左遷……じゃなかった、どこか別の学校に移動させて。ヘッドハンティングみたいな感じでいいから」
「わかっただ」
座敷わらしはそう言ったものの、何をするでもなく隅に座ってじっとしていた。
……それから間もなくして、教頭先生は大手の私立中学から引き抜かれ、円満退社していった。
周囲の教師の間では『なぜ彼が?』とか、『ラッキーな人だよ、まったく』といった陰口が叩かれていた。
何にせよ、美鈴先生の願いは叶えられたのだ。
「やだ、本当に願いが叶っちゃった。凄いわあの子!」
放課後、美鈴先生は子供用のお菓子をたっぷりと買い込んで、マコトの住み着く神社へと向かった。
「いや~、あなたのご利益は凄いわね~。あ、ほらほらどんどん食べてよ」
マコトは差し出されたお菓子を嬉しそうに食べる。このあたりは見ていて普通の子供となんら変わるところはない。
「よかっただな~。さて、オラはもうそろそろ次の家に向かうぞ。いいか?」
「え、ちょっと、なんでよ。あんたずっとここにいなさいよ」
美鈴先生はマコトを強引に引き止めた。
「いや、でもな。色んな人の所に行くように先祖から言われているだ。アンタのとこさ長くいられね」
マコトはお気に入りのチョコバーを食べながら元気よく立ち上がった。
美鈴先生は慌てた。せっかく幸福をくれる妖怪に出会えたのだ。もっと利用して自分の利益を得たかった。
しかし、美鈴先生の言葉にマコトは拒絶の意を示した。
「人が不幸になる願いは聞き入れられねえだ。アンタにだけ幸福が訪れる内容でねえとな」
相手は座敷わらしなのだから最もな理由だと思い、美鈴先生は仕方なく願いを変えた。
「じゃあ、仕方ない。左遷……じゃなかった、どこか別の学校に移動させて。ヘッドハンティングみたいな感じでいいから」
「わかっただ」
座敷わらしはそう言ったものの、何をするでもなく隅に座ってじっとしていた。
……それから間もなくして、教頭先生は大手の私立中学から引き抜かれ、円満退社していった。
周囲の教師の間では『なぜ彼が?』とか、『ラッキーな人だよ、まったく』といった陰口が叩かれていた。
何にせよ、美鈴先生の願いは叶えられたのだ。
「やだ、本当に願いが叶っちゃった。凄いわあの子!」
放課後、美鈴先生は子供用のお菓子をたっぷりと買い込んで、マコトの住み着く神社へと向かった。
「いや~、あなたのご利益は凄いわね~。あ、ほらほらどんどん食べてよ」
マコトは差し出されたお菓子を嬉しそうに食べる。このあたりは見ていて普通の子供となんら変わるところはない。
「よかっただな~。さて、オラはもうそろそろ次の家に向かうぞ。いいか?」
「え、ちょっと、なんでよ。あんたずっとここにいなさいよ」
美鈴先生はマコトを強引に引き止めた。
「いや、でもな。色んな人の所に行くように先祖から言われているだ。アンタのとこさ長くいられね」
マコトはお気に入りのチョコバーを食べながら元気よく立ち上がった。
美鈴先生は慌てた。せっかく幸福をくれる妖怪に出会えたのだ。もっと利用して自分の利益を得たかった。