学園怪談
……放課後の校舎って設定の幽霊は多いよね~。この話でも幽霊はやっぱり夕方の人気のない時間に出没してるんだけど、これにはね、普段人の多く集まる所には多くの情念が渦巻く、そして一気に人がいなくなると、そこに残った情念へ幽霊が寄ってきやすいって言う説もあるんだ。
サヤとめぐみが帰ろうと振り返った時、はっきりと耳に声が聞こえた。
『苦しい……憎い……』
「えっ!」
二人の目の前には誰もいない。
「今、はっきり聞こえたよね」
「や、やだあ。聞こえたよ~」
怯えるめぐみと手を繋ぎながら、サヤは声のしたと思われる辺りを見回してみる。
そこには非常階段への扉と、隅に古ぼけた緊急用の非常降下用機材が置いてあるだけだった。
「おかしいな、誰もいないよ」
「そこの非常口の外からじゃない?」
めぐみの言葉に、サヤは恐る恐る非常口のドアの鍵を開けた。
「……いい? 開けるよ?」
「う、うう……うん」
二人は頬がくっつくくらいに寄り添い、非常口の扉が開かれた。
ゴウッ!
「ひゃああ!」
突然、風が校舎へと吹き込んできたので一瞬目を閉じたものの、なんとか堪えて外を見る。
外は薄暗くなっており、寂しげな空気が辺りに漂うだけ。非常階段が下まで伸びているものの人気はなく、声の主の姿はどこにも見当たらない。
「もう帰ろうよ~サヤ、私なんだか怖い」
「そうだね、帰ろうか」
二人は不思議に思いながらも扉を元通りに閉めると帰宅した。
サヤとめぐみが帰ろうと振り返った時、はっきりと耳に声が聞こえた。
『苦しい……憎い……』
「えっ!」
二人の目の前には誰もいない。
「今、はっきり聞こえたよね」
「や、やだあ。聞こえたよ~」
怯えるめぐみと手を繋ぎながら、サヤは声のしたと思われる辺りを見回してみる。
そこには非常階段への扉と、隅に古ぼけた緊急用の非常降下用機材が置いてあるだけだった。
「おかしいな、誰もいないよ」
「そこの非常口の外からじゃない?」
めぐみの言葉に、サヤは恐る恐る非常口のドアの鍵を開けた。
「……いい? 開けるよ?」
「う、うう……うん」
二人は頬がくっつくくらいに寄り添い、非常口の扉が開かれた。
ゴウッ!
「ひゃああ!」
突然、風が校舎へと吹き込んできたので一瞬目を閉じたものの、なんとか堪えて外を見る。
外は薄暗くなっており、寂しげな空気が辺りに漂うだけ。非常階段が下まで伸びているものの人気はなく、声の主の姿はどこにも見当たらない。
「もう帰ろうよ~サヤ、私なんだか怖い」
「そうだね、帰ろうか」
二人は不思議に思いながらも扉を元通りに閉めると帰宅した。