学園怪談
うん、実は先輩が話してくれたのは、その先輩の友達で……絵山さんっていうこの間行方不明になっちゃった女の子の話。
先輩は絵山さんの読書好きを知ってた。彼女は先輩が好きだったらしく、自分の読んだ本を先輩に話して聞かせることが楽しかったらしい。
そして彼女は行方不明になる前日。
「私ね、この図書室で読んだ本がもうじき1000冊になるの」
先輩は特に読書好きでもなかったけど、その数の多さには確かに驚いた。そして、記念すべき1000冊目の本を探すのを手伝って欲しいという風に頼まれて、翌日の放課後に図書室に呼び出されたんだって。
先輩は翌日の夕方、約束の時間に少し遅れて図書室へとやってきた。
夕方の図書室って、人気が少なくて凄く寂しい雰囲気だよね。
先輩が図書室に入った時、もう中には誰もいなくて、絵山さんの姿も見えない。
先輩は絵山さんは奥の本棚の方にいるんだと思いながら、彼女の普段使っている席まで歩いていった。
そうしたら……、そこに広がっている光景に先輩は腰を抜かしてしまった。
「な、ななな!」
目の前には小さな本が一冊落ちていた。そしてその本は何かを挟んでいた。
それは……絵山さんの頭だった。
頭を挟まれていても、上履きのかかとに書かれた名前と、伸びた特徴あるおさげ髪から絵山さんであることは間違いなかった。
おかしいのは、挟まれている筈の絵山さんの頭は小さな本に吸い込まれるようにして見えなくなっていることだった。
本の厚さから考えても人間の頭が挟まれることなんてあり得ない。でも目の前にはまるで本が絵山さんを食べているかのように頭を挟みこんでいる。
「え、絵山!」
我に返った先輩は必死で絵山さんの足を掴んで引っ張り出そうと試みたが、ズルズルと飲み込まれるようにして、どんどん絵山さんの身体が本の中に引きずり込まれていく。
「うわああ!」
先輩は彼女の上履きだけを掴み取ってしまい、絵山さんは悲鳴を上げることもなく本の中に消えた。
先輩は絵山さんの読書好きを知ってた。彼女は先輩が好きだったらしく、自分の読んだ本を先輩に話して聞かせることが楽しかったらしい。
そして彼女は行方不明になる前日。
「私ね、この図書室で読んだ本がもうじき1000冊になるの」
先輩は特に読書好きでもなかったけど、その数の多さには確かに驚いた。そして、記念すべき1000冊目の本を探すのを手伝って欲しいという風に頼まれて、翌日の放課後に図書室に呼び出されたんだって。
先輩は翌日の夕方、約束の時間に少し遅れて図書室へとやってきた。
夕方の図書室って、人気が少なくて凄く寂しい雰囲気だよね。
先輩が図書室に入った時、もう中には誰もいなくて、絵山さんの姿も見えない。
先輩は絵山さんは奥の本棚の方にいるんだと思いながら、彼女の普段使っている席まで歩いていった。
そうしたら……、そこに広がっている光景に先輩は腰を抜かしてしまった。
「な、ななな!」
目の前には小さな本が一冊落ちていた。そしてその本は何かを挟んでいた。
それは……絵山さんの頭だった。
頭を挟まれていても、上履きのかかとに書かれた名前と、伸びた特徴あるおさげ髪から絵山さんであることは間違いなかった。
おかしいのは、挟まれている筈の絵山さんの頭は小さな本に吸い込まれるようにして見えなくなっていることだった。
本の厚さから考えても人間の頭が挟まれることなんてあり得ない。でも目の前にはまるで本が絵山さんを食べているかのように頭を挟みこんでいる。
「え、絵山!」
我に返った先輩は必死で絵山さんの足を掴んで引っ張り出そうと試みたが、ズルズルと飲み込まれるようにして、どんどん絵山さんの身体が本の中に引きずり込まれていく。
「うわああ!」
先輩は彼女の上履きだけを掴み取ってしまい、絵山さんは悲鳴を上げることもなく本の中に消えた。