学園怪談
ザッパアアアン!
俺はしばらくその場にいて幽霊を見ていたが、水泳部の誰かが水に飛び込んだ時、突然幽霊は殺気を出して移動を始めた。
「な、おい、どこ行くんだよ!」
幽霊は足のヒモを排水溝に引っ掛けたまま、その水泳部部員を襲った。
「どうしたー!」
「大変! 溺れてる!」
辺りが騒がしくなり、水泳部員の救助のために何人かが飛び込んでくる。
「徹君、これで早くヒモを切るんだ!」
いつの間にか戻った小松っちゃんの投げたペンチで俺はヒモを切った。受け取る際に頭におもいっきり当たったのを気にしている余裕はなかった。
……ヒモを切ると幽霊は掻き消えるかのようにいなくなってしまった。
「あの幽霊はきっと当時の水泳部の連中に殺されたんだ。まあ、事故の色が強いな。たぶん足にヒモをつけて、はしごにでもくくりつけたりして遊んでいたんだろう。顧問の先生もいなかったようだから、先輩のちょっとしたイタズラだっだんだと思うよ。でも排水溝にヒモが巻き込まれて彼は溺れ死んでしまった。きっと当時の部員たちも教師も責任を恐れて事故死に見せかけたんだろうね。だから浮かばれず、彼は幽霊となってプールで人を襲っていたんだ。徹君がヒモを切ってくれたからもう自由になれたみたいだけどね」
「でも、俺達は襲われなかったじゃないか」
「それはね、襲われた人たちは水泳部であり、そして……たぶんお父さんかお母さんのどちらかが、当時の水泳部の卒業生なんだよ……」
俺はしばらくその場にいて幽霊を見ていたが、水泳部の誰かが水に飛び込んだ時、突然幽霊は殺気を出して移動を始めた。
「な、おい、どこ行くんだよ!」
幽霊は足のヒモを排水溝に引っ掛けたまま、その水泳部部員を襲った。
「どうしたー!」
「大変! 溺れてる!」
辺りが騒がしくなり、水泳部員の救助のために何人かが飛び込んでくる。
「徹君、これで早くヒモを切るんだ!」
いつの間にか戻った小松っちゃんの投げたペンチで俺はヒモを切った。受け取る際に頭におもいっきり当たったのを気にしている余裕はなかった。
……ヒモを切ると幽霊は掻き消えるかのようにいなくなってしまった。
「あの幽霊はきっと当時の水泳部の連中に殺されたんだ。まあ、事故の色が強いな。たぶん足にヒモをつけて、はしごにでもくくりつけたりして遊んでいたんだろう。顧問の先生もいなかったようだから、先輩のちょっとしたイタズラだっだんだと思うよ。でも排水溝にヒモが巻き込まれて彼は溺れ死んでしまった。きっと当時の部員たちも教師も責任を恐れて事故死に見せかけたんだろうね。だから浮かばれず、彼は幽霊となってプールで人を襲っていたんだ。徹君がヒモを切ってくれたからもう自由になれたみたいだけどね」
「でも、俺達は襲われなかったじゃないか」
「それはね、襲われた人たちは水泳部であり、そして……たぶんお父さんかお母さんのどちらかが、当時の水泳部の卒業生なんだよ……」