学園怪談
最初は新しいバットを買い換えるまでの代用として使い始めたんだけど、そのバットを使い始めてから佐々岡君のバッティングは急激に良くなった。いつもは三振しかしなかったはずが、血のシミがミートポイントを教えてくれるのか、吸い付くように芯でボールを捕らえ、ヒットの連続だった。
万年ベンチだった佐々岡君はレギュラーの座を掴み、1番バッターとして大活躍した。でもね、ある日を境に急に打撃不振が始まった。
「なぜ、なんで急に打てなくなったんだ!」
打てるようになってからも彼は練習をさぼったりはしなかった。いや、今まで以上に練習にも身を入れてきたはずなのになぜ……?
彼はバットの血が打つたびにだんだん削られて薄く、小さくなっていることに気づいた。
「もしかして、これが……」
佐々岡君はそのバットで……近所の野良ネコを殺した。
次の日から佐々岡君の打撃は再び好調だった。目をみはるようなヒットの嵐。安打製造機としての面目は立った。
しかし、しばらくして、血が薄れた頃にまたスランプが襲ってきた。
「だめだ、もっと、もっと血が必要だ」
佐々岡君は近所のネコや犬を、そのバットで次々と殺していった。
どう? 凄い人だよね、いくらノラだからって動物をそんな簡単に殺すことなんて酷いと思うよね。でもね、佐々岡君はヒットを打つためなら手段は選ばなかった。またヒットが打てなくなってレギュラーから外されるのが怖かったんだ。
佐々岡君の行動を影で知ってしまった部員たちは驚いたものの、狂人と化した彼を止めるものはいなかった。
「もっと、もっとだ。もっと血が欲しい」
佐々岡君の殺す動物はネコや犬の小動物だけでなく次には豚、豚の次は牛という具合にどんどん大きくなっていった。それと同時に彼の打撃は単打から二塁打、三塁打というふうに比例していった。
でも、どうしてもホームランだけは打てなかった。いつも3塁打までで終わってしまう。
……そして、全国中学野球選手権大会の決勝戦の日。佐々岡君は5打席連続ホームランという快挙を成し遂げた。……血で真っ黒く染まったバットでね。
そして次の日……、佐々岡君は警察に逮捕された。
彼は試合の前夜、その金属バットで家族全員を殴り殺していたんだ……。そして、そのまま試合に参加した。
万年ベンチだった佐々岡君はレギュラーの座を掴み、1番バッターとして大活躍した。でもね、ある日を境に急に打撃不振が始まった。
「なぜ、なんで急に打てなくなったんだ!」
打てるようになってからも彼は練習をさぼったりはしなかった。いや、今まで以上に練習にも身を入れてきたはずなのになぜ……?
彼はバットの血が打つたびにだんだん削られて薄く、小さくなっていることに気づいた。
「もしかして、これが……」
佐々岡君はそのバットで……近所の野良ネコを殺した。
次の日から佐々岡君の打撃は再び好調だった。目をみはるようなヒットの嵐。安打製造機としての面目は立った。
しかし、しばらくして、血が薄れた頃にまたスランプが襲ってきた。
「だめだ、もっと、もっと血が必要だ」
佐々岡君は近所のネコや犬を、そのバットで次々と殺していった。
どう? 凄い人だよね、いくらノラだからって動物をそんな簡単に殺すことなんて酷いと思うよね。でもね、佐々岡君はヒットを打つためなら手段は選ばなかった。またヒットが打てなくなってレギュラーから外されるのが怖かったんだ。
佐々岡君の行動を影で知ってしまった部員たちは驚いたものの、狂人と化した彼を止めるものはいなかった。
「もっと、もっとだ。もっと血が欲しい」
佐々岡君の殺す動物はネコや犬の小動物だけでなく次には豚、豚の次は牛という具合にどんどん大きくなっていった。それと同時に彼の打撃は単打から二塁打、三塁打というふうに比例していった。
でも、どうしてもホームランだけは打てなかった。いつも3塁打までで終わってしまう。
……そして、全国中学野球選手権大会の決勝戦の日。佐々岡君は5打席連続ホームランという快挙を成し遂げた。……血で真っ黒く染まったバットでね。
そして次の日……、佐々岡君は警察に逮捕された。
彼は試合の前夜、その金属バットで家族全員を殴り殺していたんだ……。そして、そのまま試合に参加した。