学園怪談
……そんな感じで、わたしたちの交換日記は途切れることなく続き、いよいよ終了式まであと2日に迫った日のこと。
『ペンネーム ラブリー ……1年生も終わりだね。あっという間だったな~』
『2年生になっても、みんなで仲良くしようね』
『ペンネーム もも ……じゃあクラスも変わっちゃうから、この交換日記も終わりだね。よく3日坊主にならなかったもんだ』
『え~、寂しいよ~。もっと続けたいよ~ん!』
『ペンネーム うさちゃん ……まあまあ、このノートも、あと5枚で終わりだし、頃合なんじゃない』
『そうだね~、最初の頃は、結構ロクでもないこと書いてたよね、今となってはいい思い出だ』
『☆みんな今までありがとう。2年生になっても元気でね☆』
『やだな~、なんか今生の別れみたいじゃ~ん。2年生になってもうちら7人はずっと一緒だよ』
『☆……そうだよね、みんなずっと一緒だよね……☆』
 放課後、ロッカーからノートを取り出した私は、ノートに書かれている星マークの女の子の字が、いつもに比べて酷く歪んでいることに気づいた。
「これは……」
「紫乃!」
 ガラリと教室の扉が開いて、呼び出しておいた私のグループの他6名が入ってきた。
 夕日の差し込む教室に7人全員が揃った。
「みんな……これって……」
 私は泣き笑いのような顔で6人を見た。
「やっぱり……そうよね」
 どうやら全員意見は一致していたようだ。
 ……もう一人いる!
 この交換日記に、私たちの他にもう一人、しらない人物が書き込みをしていたのだ。
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