学園怪談
……。
「そんな名前の生徒はわたし達の学園に存在しなかった。あとで調べたんだけどね、10年前の入学式の日、一人の女の子が登校中に交通事故で亡くなっていたの。その子の名前が……杉村光。彼女は始めから存在していなかったんだね」
私は何も言えず、黙って紫乃さんを見ていた。
「きっと悲しかったんだよね。彼女は楽しい中学生活を目の前にして死んでしまった。友達と一緒に勉強したり、おしゃべりしたり……恋をしてみたりしたかったんだよ。でも叶わなくなってしまった。だから……だから、わたし達の交換日記に参加したんだね」
紫乃さんは涙を流しながら話した。
つられて、能勢さんと、斎条さんも泣いていた。
「それから私たち7人は杉村さんの家を調べて、みんなで彼女を訪ねたの。仏壇には笑顔の彼女の写真が飾られていた……。入学式の朝に撮ったものらしくて、私たちと同じ制服を着ていた。私たちはそれから彼女の写真を見て言ったんだ」
涙を拭うと、真っ直ぐ前を見て紫乃さんは言った。
「やっと会えたね!」
溢れかけていた涙が零れ落ちていったのを私も感じていた……。
「そんな名前の生徒はわたし達の学園に存在しなかった。あとで調べたんだけどね、10年前の入学式の日、一人の女の子が登校中に交通事故で亡くなっていたの。その子の名前が……杉村光。彼女は始めから存在していなかったんだね」
私は何も言えず、黙って紫乃さんを見ていた。
「きっと悲しかったんだよね。彼女は楽しい中学生活を目の前にして死んでしまった。友達と一緒に勉強したり、おしゃべりしたり……恋をしてみたりしたかったんだよ。でも叶わなくなってしまった。だから……だから、わたし達の交換日記に参加したんだね」
紫乃さんは涙を流しながら話した。
つられて、能勢さんと、斎条さんも泣いていた。
「それから私たち7人は杉村さんの家を調べて、みんなで彼女を訪ねたの。仏壇には笑顔の彼女の写真が飾られていた……。入学式の朝に撮ったものらしくて、私たちと同じ制服を着ていた。私たちはそれから彼女の写真を見て言ったんだ」
涙を拭うと、真っ直ぐ前を見て紫乃さんは言った。
「やっと会えたね!」
溢れかけていた涙が零れ落ちていったのを私も感じていた……。