学園怪談
第20話 『メリーさん』 語り手 石田徹
徹さんの番がやってきた。また何かふざけたことをやるのかと思っていたが、今回はかなりシリアスな顔つきをしている。
「どうしたんですか徹さん、お腹でも痛いんですか?」
「……いや」
やがて、イスに深々と座りなおすと、徹さんは言った。
「今回はマジな話をさせてもらうぜ」
私はゴクリと唾を飲むと、今までにない真剣な雰囲気の徹さんを黙って見つめた。
「俺は飼育委員だ。学園の花壇の花を毎日世話しているんだが、この間チューリッ」
プ!
「が見事に花を開いたところだ」
一瞬の出来事だった。
徹さんは会話の中にオナラを混ぜ、見事なチューリップを作り上げた。
しかし、その後の非難の目、そして微かに漂うピーナッツの腐ったような独特の匂いにより、室内のムードは最悪の状態だった……。
「それでは本題に入る」
……。
メリーさんという話は聞いたことがあるかな? 何知らない? じゃあ、簡単にだけ説明しておこう。これは電話を使った話でね、マンションの上の階に住んでいる住人の家の電話が鳴る。そして……。
「私メリーさん。今、あなたの家の1階にいるの……」
それで電話は切れる。そして、しばらくして再び電話が鳴る。
「私メリーさん。今あなたの家の2階にいるの……」
……そんな感じで1階ずつ近づいていき、最後には……。
「私メリーさん。今……あなたの後ろ!」
なんて感じになる怪談だ。ありがちな話だろう? でもね、今は携帯電話が主流になったせいか、この『メリーさん』は携帯にも出没したんだ。
それも俺の携帯にね……。
……2、3ヶ月程前の日曜日。その日、朝から友達と遊んでいた俺は、夕方になって家への帰りの道を歩いていた。
帰り道は森林の多い道を通るんだけど、ここは夕方になると日が当たらなくて凄く寂しい通りになる。秋にはチカンなんかが出たこともあるから人通りも少なくて怖い道だ。
徹さんの番がやってきた。また何かふざけたことをやるのかと思っていたが、今回はかなりシリアスな顔つきをしている。
「どうしたんですか徹さん、お腹でも痛いんですか?」
「……いや」
やがて、イスに深々と座りなおすと、徹さんは言った。
「今回はマジな話をさせてもらうぜ」
私はゴクリと唾を飲むと、今までにない真剣な雰囲気の徹さんを黙って見つめた。
「俺は飼育委員だ。学園の花壇の花を毎日世話しているんだが、この間チューリッ」
プ!
「が見事に花を開いたところだ」
一瞬の出来事だった。
徹さんは会話の中にオナラを混ぜ、見事なチューリップを作り上げた。
しかし、その後の非難の目、そして微かに漂うピーナッツの腐ったような独特の匂いにより、室内のムードは最悪の状態だった……。
「それでは本題に入る」
……。
メリーさんという話は聞いたことがあるかな? 何知らない? じゃあ、簡単にだけ説明しておこう。これは電話を使った話でね、マンションの上の階に住んでいる住人の家の電話が鳴る。そして……。
「私メリーさん。今、あなたの家の1階にいるの……」
それで電話は切れる。そして、しばらくして再び電話が鳴る。
「私メリーさん。今あなたの家の2階にいるの……」
……そんな感じで1階ずつ近づいていき、最後には……。
「私メリーさん。今……あなたの後ろ!」
なんて感じになる怪談だ。ありがちな話だろう? でもね、今は携帯電話が主流になったせいか、この『メリーさん』は携帯にも出没したんだ。
それも俺の携帯にね……。
……2、3ヶ月程前の日曜日。その日、朝から友達と遊んでいた俺は、夕方になって家への帰りの道を歩いていた。
帰り道は森林の多い道を通るんだけど、ここは夕方になると日が当たらなくて凄く寂しい通りになる。秋にはチカンなんかが出たこともあるから人通りも少なくて怖い道だ。