ハーフな俺。後編(完結)
「座れよ。ここ。」俺は、俺の横の空席をあごで
指した。
「ぅ、ぅん。」
リサが座ったのを確認してから、俺は続ける。
「リンゴ・・・」
「ん?」
「リンゴがさ、ウサギの形のやつ。
あいつがさ、俺の母が作る弁当にはいつもあれが入ってたんだ。
雅紀の幼馴染が作ったリンゴと同じ、あのウサギのリンゴがな。」
普通ならこんな話かっこ悪くて出来ない。
でも、ここでこうして聞いてくれてる相手が、
いつも俺の話を馬鹿にすることなく聞いてくれるリサだから、
俺は迷わずに話を続ける。