ハーフな俺。後編(完結)
「あいつは、俺らにgood-byeさえ言わなかったんだ・・・・」
そこで一旦自分自身を落ちつけるため大きく息を吐き出した。
「それから、最初の頃は俺は母親に会いたいと親父に懇願していた。
けど・・・そのうち毎回俺が聞く度に、『無理なんだ』と泣きそうに、悔しそうに言う親父を見てると、
心が痛み始め、いつからか母親のことを一切俺は口に出さなくなったんだ。
それでも、俺は一人で期待し続けてたんだな。きっと・・・
あいつが帰ってくるかもって。
だから、いつかまた会う時に日本語を忘れない様に、
親父に隠れてまだ覚えたての、日本語の絵本を読んだりしていたんだ。」