ハーフな俺。後編(完結)

「それでも・・・執着心からか呪縛なのかは分からねぇけど、日本語を学ぶことから逃れられなくなっていた。

分かんねぇけど、もしかしたら俺が小さい頃に上手に日本語を話せるって褒めてくれた母親の影を

忘れずにいたのかも知れないって、最近そう思っていたんだ。

今日あいつに会うまで、今の俺がここにいるっていう所をあいつに見せれば、

自分自身が前に進める気がしていたんだ。

・・・・けどなっ、全然違ったんだなっ。

優しかったあいつの笑顔は、俺ではなくあの男の子にのみ向けられているものなんだって分かった。

やっぱり俺は馬鹿だ。


あいつの中では、俺という存在はもうなかったんだ・・・・


捨てられたんじゃなかったんだ・・・

俺は・・・抹消されていたんだっ。」


そこまで言って、涙が溢れ出した。

今まで、誰にも見せたことの無い涙。

だけど、溢れ出した涙はもう止まらない・・・・



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