ハーフな俺。後編(完結)
日本語を話し始めたときも、
『ルイは、ドンドン日本語を覚えていくね』
『こんな言葉も知ってるのね』
『絵本の平仮名も上手に読めたね』
『上手にあいさつ出来たね』
記憶がドンドン溢れ出すように思い出される。
そうだ、いつもそうだった。
いつも俺を自慢だって言ってくれてた。
いつも俺をリトルチーフって呼んでくれてた。
俺はそんなことさえも忘れてしまっていたんだ。
母はいつも俺の側にいたんだ。
俺のことを愛してくれていた。
それなのに、俺は・・・
愛されて、裏切られるのが恐かったから、
全てを否定し閉じ込め、愛されていた部分さえも
無かったことにしてしまっていたんだ。