彼女の居場所外伝 ~たんたんタヌキ~
「で、三嶋はどっちなの」
まあ、そうくるよね。
「私は妬んでないわよ」
さっきまで妬んでたけど。
でも、妬むなんて感情が恐れ多いほどの女性として、社会人としての圧倒的な差を見せつけられて妬むという感情も消し飛んだ。
残っているのは敵視していた事への虚しさ。
「そういう竜はどうなのよ。今日の薔薇姫を見てどう思ったの」
「うーん、薔薇姫か。ーーーその呼び名、高橋先輩は嫌いみたいなんだ。だから三嶋もやめてあげて」
え、っと竜を見る。
「彼女、自分が薔薇姫って呼ばれるのは自分にトゲがあるからだって思ってるんだよね。みんなが否定してるのに思い込んでてさ。ちょっとかわいそうなんだ」
「そ、そうなんだ」
「そう。高橋先輩、自分の見た目がいいことは自覚してるよ。でもそのせいで嫌な目に遭ったことも多かったって。だから歪んだ性格になったって言ってたよ。でも、側にいる俺からして見たらクールではあるけど、棘って言うのとは違うかなと思う」
彼女を思いやっている竜の発言に胸が痛む。
彼女はもうとっくに人妻なのに。
「わかったから」
それ以上聞いてるのが辛くなって竜の言葉を遮った。
心の中でため息をつく。
どこまで姫のことが好きなんだか。
タクシーは流れるように幹線道路を進んでいく。
途中の赤信号で車が止まり、ふと窓の外を見るとお花屋さんが目に入った。
そういえば、花嫁のローシニヨンについていたのは薔薇じゃなくてスイートピーの飾りだった。
ずいぶんと花びらの大きな。
特注品なんだろうけど、それにしても立派だったなと印象に残る髪飾りだった。
竜がスマホを取り出して何か操作をしている。
「さっき撮った写真、三嶋のスマホに送った」
「そう、ありがと」
さっきの写真って、別に私は欲しいと思っていたわけじゃないんだけど。
その場で確認しないと失礼だと思ってスマホを開く。
そこには案の定、美しい新郎新婦を真ん中にして左右両端に竜と私が立っている写真があった。
人並みの容姿の私。
御三家の新郎と輝く容姿の新婦。
それとそこそこイケメンの竜之介。
・・・やっばり美人。
内側から溢れ出すような美しさってこういうことを言うんだろう。
竜が惚れるのもわかる。
人を引きつける何かで溢れているような人だ。
まあ、そうくるよね。
「私は妬んでないわよ」
さっきまで妬んでたけど。
でも、妬むなんて感情が恐れ多いほどの女性として、社会人としての圧倒的な差を見せつけられて妬むという感情も消し飛んだ。
残っているのは敵視していた事への虚しさ。
「そういう竜はどうなのよ。今日の薔薇姫を見てどう思ったの」
「うーん、薔薇姫か。ーーーその呼び名、高橋先輩は嫌いみたいなんだ。だから三嶋もやめてあげて」
え、っと竜を見る。
「彼女、自分が薔薇姫って呼ばれるのは自分にトゲがあるからだって思ってるんだよね。みんなが否定してるのに思い込んでてさ。ちょっとかわいそうなんだ」
「そ、そうなんだ」
「そう。高橋先輩、自分の見た目がいいことは自覚してるよ。でもそのせいで嫌な目に遭ったことも多かったって。だから歪んだ性格になったって言ってたよ。でも、側にいる俺からして見たらクールではあるけど、棘って言うのとは違うかなと思う」
彼女を思いやっている竜の発言に胸が痛む。
彼女はもうとっくに人妻なのに。
「わかったから」
それ以上聞いてるのが辛くなって竜の言葉を遮った。
心の中でため息をつく。
どこまで姫のことが好きなんだか。
タクシーは流れるように幹線道路を進んでいく。
途中の赤信号で車が止まり、ふと窓の外を見るとお花屋さんが目に入った。
そういえば、花嫁のローシニヨンについていたのは薔薇じゃなくてスイートピーの飾りだった。
ずいぶんと花びらの大きな。
特注品なんだろうけど、それにしても立派だったなと印象に残る髪飾りだった。
竜がスマホを取り出して何か操作をしている。
「さっき撮った写真、三嶋のスマホに送った」
「そう、ありがと」
さっきの写真って、別に私は欲しいと思っていたわけじゃないんだけど。
その場で確認しないと失礼だと思ってスマホを開く。
そこには案の定、美しい新郎新婦を真ん中にして左右両端に竜と私が立っている写真があった。
人並みの容姿の私。
御三家の新郎と輝く容姿の新婦。
それとそこそこイケメンの竜之介。
・・・やっばり美人。
内側から溢れ出すような美しさってこういうことを言うんだろう。
竜が惚れるのもわかる。
人を引きつける何かで溢れているような人だ。