彼女の居場所外伝 ~たんたんタヌキ~
「ーーー高橋さんって本当に素敵ね。いつものスーツ姿も素敵だったけど、今日の姿は段違いだったよね。元々受付の女の子達は高橋さんファンだったからたまらなかったんじゃないかな。このまま二人であのホテルのウエディングモデルになれそう。そしたらホテルの予約が殺到しそうだよね」
これは本心。
彼女の着ていたドレスはシンプルだったのにそれが却って彼女の美しさを際立たせていた。
すらりと伸びた身体にいやらしくなく綺麗にフィットして流れるような美しさ。
背の高い白とピンクのカラーを束ねただけのアームブーケも彼女によく似合っていた。
隣に立つ新郎の高橋さんも肩幅が広く、それがまた彼女の線の細さを強調していて絵になった。ここまで新婦の美しさを強調できたのは新郎があの彼だからこそって感じ。
「結婚したい人ナンバーワンだったのも納得」
ね、と竜に視線を合わせると、なぜか竜が怖い顔をしている。
なんで竜の大好きな高橋さんのこと褒めたのにそんな怖い顔してるんだか。
やだやだ、好きな人が結婚しちゃって情緒不安定なのかしら。
もうすぐ私のマンションだし、こっちも気分悪いからもう無視でいいっか。