政略夫婦が迎えた初夜は、あまりに淫らで もどかしい
仕事柄水曜日が定休なので、予定が決まり次第、土日に有給申請をしておかないと。
有給は消化しきれた試しがないので余っているからいいにしても、忙しい土日に休むのは周りに迷惑がかかる。
だから、今までは有休をとるにしても土日は避けてきたのだけれどこういう事情なら仕方ない。
あとで、仕事のしわ寄せがいく社員にはお菓子でも持っていこう……と考えていると、蓮見さんが「確かに忙しくなるな」と答えた。
「顔合わせが済んだら、式場を決めて、ドレスや披露宴のプラン選びに招待客のリストアップ……宮澤社長は、社内でもなにかしら催しを開きたそうだったから、それもと考えるとなかなかタイトなスケジュールになりそうだな」
具体的に言われて驚く。
正直、私が考えていたのは顔合わせまでだったけれど、その後からの予定の方がぎっしりしていて大変そうだ。
「まぁ、これから冬になるし式は暖かくなるのを待ってからでもいい。三月四月はお互いに仕事が忙しいだろうから、それ以降で考えている。春乃が望むなら早くても構わないが」
「あ、いえ。私も四月以降の方がいいです」
年度末、年度始めは異動も重なり忙しい。
「それなら、今から月に一、二度、休みを合わせてゆっくり探し始めればいい。水曜日は基本的に大事な会議は入れていないし休みは俺が春乃に合わせる。ただ、それでも無理な部分は出てくるだろうから、そこは春乃にも調整を頼むかもしれない」
「もちろんです。というか、半々で大丈夫です。蓮見さんにばっかり仕事の都合をつけてもらうのは申し訳ないので」