政略夫婦が迎えた初夜は、あまりに淫らで もどかしい


蓮見さんが私の仕事をないがしろにせずに、きちんと考えてくれていることに感謝しながら微笑む。
蓮見さんはそんな私の目尻や頬にキスを落とし……。

「その辺はおいおい考えよう。最悪、予定が合わないようならドレスやプランの決定はこの部屋ですればいい。ブライダルコーディネーターにドレスを持ってこさせるくらい可能だろう」

とんでもないことを口にした。

「オーダーしてから仕上がるまでに時間がかかるし、優先するのはドレス選びだな。春乃は着物が好きだと言っていたし、お色直しで着物を着るようならそれもオーダーする必要が……」
「あの。ドレスのオーダーメイドは必要ないです。一度しか着ないものですし、全然……お色直しとかもまだ考えが追いつかないので……」

今日、入籍したのだ。

しかも、気持ちが通じ合ったのだって今日で、さすがにそこにきてドレスのことまで頭が回らない。
それに。

「あとできちんと考えます。なので、今はただ甘えていてもいいですか?」

せっかく意地を張らずに蓮見さんの腕に中にいられるのだから、今は難しいことは考えずにただ触れていたい。

そう伝えると、蓮見さんはわずかに目を見開き、それから存分に私を甘やかしてくれたのだった。




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