愛のない結婚のはずが、御曹司は懐妊妻に独占欲を放つ【憧れの溺愛シリーズ】
温室にいたせいで具合が悪くなったと思われたかもと、タイミングの悪さにシュンとしょげたとき、両脇に手を入れられ軽々と抱き上げられた。
「きゃっ…!」
「落ち葉が濡れて滑りやすくなっている。転ぶといけないからな」
「あのっ、分かりました…気を付けて歩きますからっ…!」
「いいから大人しく捕まっておけ」
言いながら温室の入り口まで行った彼は、外に立てかけてあった傘を開いてわたしに持たせた。
「代わりにさしてろ」
強引なところは相変わらず。
雨だからと迎えに来てくれたはずなのに、渡されたのは黒くて大きな彼の傘。他にはない。
(もしかして……最初からこうするつもりだった…とか?)
そんなふうに都合よく考えてしまう自分が恥ずかしくなる。
彼への恋心を自覚してからというもの、彼の些細な言動にときめいたり落ち込んだり。わたしは自分の感情に戸惑ってばかり。
どうするのが正しいのかなんてまったく分からないわたしは、彼に言われた通り彼の腕の中で傘をさすことに終始した。
「きゃっ…!」
「落ち葉が濡れて滑りやすくなっている。転ぶといけないからな」
「あのっ、分かりました…気を付けて歩きますからっ…!」
「いいから大人しく捕まっておけ」
言いながら温室の入り口まで行った彼は、外に立てかけてあった傘を開いてわたしに持たせた。
「代わりにさしてろ」
強引なところは相変わらず。
雨だからと迎えに来てくれたはずなのに、渡されたのは黒くて大きな彼の傘。他にはない。
(もしかして……最初からこうするつもりだった…とか?)
そんなふうに都合よく考えてしまう自分が恥ずかしくなる。
彼への恋心を自覚してからというもの、彼の些細な言動にときめいたり落ち込んだり。わたしは自分の感情に戸惑ってばかり。
どうするのが正しいのかなんてまったく分からないわたしは、彼に言われた通り彼の腕の中で傘をさすことに終始した。