愛のない結婚のはずが、御曹司は懐妊妻に独占欲を放つ【憧れの溺愛シリーズ】
『強がりを言うんじゃない」』
そうたしなめられるのかも、と思ったのに。
ふわりと体が持ち上がり、わたしは今日二度目の浮遊感に「きゃっ…」と小さな悲鳴を上げた。
ソファーの彼の隣に座っていたはずなのに、気が付いたら彼の膝の上に横抱きにされていて。状況を把握した途端、またしても火が出そうなほど顔が熱くなる。
「しょっ…、」
「ここに俺たちの子がいるんだよな」
そっとわたしのお腹に手を添えてそう言った祥さんに、わたしは小さく頷いた。
彼の視線がとても甘く優しくわたしのお腹にそそがれていて、彼もこの子を愛おしんでくれているのだと思ったら、胸の奥がじんと熱くなる。無意識にお腹の上の彼の手に、そっと自分の手を重ねていた。
ごつごつと節くれだった大きな手は温かく、重ねた手のひらがじわりとぬくもる。
「ずいぶん手が冷たい。やっぱり少し冷えたんじゃないか」
「それは……さっきまで冷たいグラスを持っていたから……」
「さて、どうだろうな」
どうやら言い訳は見透かされているらしい。
そうたしなめられるのかも、と思ったのに。
ふわりと体が持ち上がり、わたしは今日二度目の浮遊感に「きゃっ…」と小さな悲鳴を上げた。
ソファーの彼の隣に座っていたはずなのに、気が付いたら彼の膝の上に横抱きにされていて。状況を把握した途端、またしても火が出そうなほど顔が熱くなる。
「しょっ…、」
「ここに俺たちの子がいるんだよな」
そっとわたしのお腹に手を添えてそう言った祥さんに、わたしは小さく頷いた。
彼の視線がとても甘く優しくわたしのお腹にそそがれていて、彼もこの子を愛おしんでくれているのだと思ったら、胸の奥がじんと熱くなる。無意識にお腹の上の彼の手に、そっと自分の手を重ねていた。
ごつごつと節くれだった大きな手は温かく、重ねた手のひらがじわりとぬくもる。
「ずいぶん手が冷たい。やっぱり少し冷えたんじゃないか」
「それは……さっきまで冷たいグラスを持っていたから……」
「さて、どうだろうな」
どうやら言い訳は見透かされているらしい。