愛のない結婚のはずが、御曹司は懐妊妻に独占欲を放つ【憧れの溺愛シリーズ】
「ああ、そうだ。俺は守りたい。寿々那と、ここにいる俺たちの子を―――」
「ここに……いる?」
震える唇でそう訊ねると、祥さんがしっかりと頷き返す。
「お腹の子は無事だ。おまえがなぜ勘違いしたかは分からないが、俺たちの子はちゃんとここにいる」
「ほん…とうに…?」
「本当だ。寿々那はちゃんとこの子を守ったんだ」
その言葉を聞いた途端、体から一気に力が抜けた。
両目から涙が溢れ出して、「良かった…」とつぶやいた語尾が嗚咽に変わる。
わたしはそれからしばらくの間、泣きじゃくった。
こどもみたいにわんわんと声を上げて、時々しゃくり上げながら。
涙が後から後からとめどなく溢れ出て、ぐっしょりと濡れた顔を両手で覆おうとした時、自分のものよりも大きな手に、両頬を挟まれた。
泣きすぎて熱く腫れぼったいまぶたを持ち上げると、すぐそこに祥さんの顔。
視界のすべてが見惚れるほど精悍な顔でいっぱいになった時、コツンと額が合わさった。
「愛している、寿々那」
「っ、」
「おまえを失うなんて耐えられない。一生俺の側にいてほしい」
「う、……そ……」
「嘘じゃない。最初に出会った時からおまえに惹かれていた。」
「最初から……」
「ああ、そうだ。あのたった数時間で、おまえは俺の心を完璧に奪ったんだ。だから俺はあの夜、永遠に自分のものにする覚悟でおまえを抱いた」
驚きすぎて声が出ない。
まさか『奪われる覚悟はあるか』と訊いた彼の方に『奪う覚悟』が出来ていたなんて―――。
もしかして、この子は彼の強い意志の証…?
その予感はすぐに肯定された。
「この子はきっとあの時の子だろうな……。我ながらどうかと思うほど強引な手段だったが、どうしてもおまえが欲しかった。絶対に逃がさない、荒尾と婚礼を挙げる前にすべてを整えおまえをさらいに行く。そう心に誓いながら何度もおまえに愛欲を注いだからな」
「ここに……いる?」
震える唇でそう訊ねると、祥さんがしっかりと頷き返す。
「お腹の子は無事だ。おまえがなぜ勘違いしたかは分からないが、俺たちの子はちゃんとここにいる」
「ほん…とうに…?」
「本当だ。寿々那はちゃんとこの子を守ったんだ」
その言葉を聞いた途端、体から一気に力が抜けた。
両目から涙が溢れ出して、「良かった…」とつぶやいた語尾が嗚咽に変わる。
わたしはそれからしばらくの間、泣きじゃくった。
こどもみたいにわんわんと声を上げて、時々しゃくり上げながら。
涙が後から後からとめどなく溢れ出て、ぐっしょりと濡れた顔を両手で覆おうとした時、自分のものよりも大きな手に、両頬を挟まれた。
泣きすぎて熱く腫れぼったいまぶたを持ち上げると、すぐそこに祥さんの顔。
視界のすべてが見惚れるほど精悍な顔でいっぱいになった時、コツンと額が合わさった。
「愛している、寿々那」
「っ、」
「おまえを失うなんて耐えられない。一生俺の側にいてほしい」
「う、……そ……」
「嘘じゃない。最初に出会った時からおまえに惹かれていた。」
「最初から……」
「ああ、そうだ。あのたった数時間で、おまえは俺の心を完璧に奪ったんだ。だから俺はあの夜、永遠に自分のものにする覚悟でおまえを抱いた」
驚きすぎて声が出ない。
まさか『奪われる覚悟はあるか』と訊いた彼の方に『奪う覚悟』が出来ていたなんて―――。
もしかして、この子は彼の強い意志の証…?
その予感はすぐに肯定された。
「この子はきっとあの時の子だろうな……。我ながらどうかと思うほど強引な手段だったが、どうしてもおまえが欲しかった。絶対に逃がさない、荒尾と婚礼を挙げる前にすべてを整えおまえをさらいに行く。そう心に誓いながら何度もおまえに愛欲を注いだからな」