愛のない結婚のはずが、御曹司は懐妊妻に独占欲を放つ【憧れの溺愛シリーズ】
羞恥のあまり涙目になってふるふると小刻みに震えていると、彼は「お望み通りだろう」と不敵な笑みを浮かべる。
真っ赤になってうつむこうとしたら、彼がわたしのあごをすくい上げた。濡羽色の瞳がわたしをまっすぐに射抜く。
「俺はあの時言ったはずだ、『覚悟はあるのか』と。それに対して寿々那は頷いた。そうだったろう?」
彼の問いに正直に頷いた。
確かにわたしは確固たる意志を持って、自分からお願いしたのだ。―――『処女を奪って』と。
「でも……どうして、」
「ん?」
「どうして突然現れたの…?わたしが今日あの人と結婚すると知っていたんですか…!?」
「ああ」
「なんで、そんなっ……」
無謀な企てを謀ったのか……。
今頃きっと森乃やは大騒ぎ。婚礼直前に花嫁が連れ去られたのだから。
もしかしたら誘拐事件として警察に届けられているかもしれない。
今さらのようにそのことに気が付いて、何も考えずについてきた自分の浅慮さに青ざめる。
処女を押し付けただけならまだしも、彼にそんな迷惑はかけられない。
「あのっ、わたしもう戻らないとっ…!」
そう言いながら慌ててと起き上がろうとしたが、大きな体にのし掛かられていてビクともしなかった。
真っ赤になってうつむこうとしたら、彼がわたしのあごをすくい上げた。濡羽色の瞳がわたしをまっすぐに射抜く。
「俺はあの時言ったはずだ、『覚悟はあるのか』と。それに対して寿々那は頷いた。そうだったろう?」
彼の問いに正直に頷いた。
確かにわたしは確固たる意志を持って、自分からお願いしたのだ。―――『処女を奪って』と。
「でも……どうして、」
「ん?」
「どうして突然現れたの…?わたしが今日あの人と結婚すると知っていたんですか…!?」
「ああ」
「なんで、そんなっ……」
無謀な企てを謀ったのか……。
今頃きっと森乃やは大騒ぎ。婚礼直前に花嫁が連れ去られたのだから。
もしかしたら誘拐事件として警察に届けられているかもしれない。
今さらのようにそのことに気が付いて、何も考えずについてきた自分の浅慮さに青ざめる。
処女を押し付けただけならまだしも、彼にそんな迷惑はかけられない。
「あのっ、わたしもう戻らないとっ…!」
そう言いながら慌ててと起き上がろうとしたが、大きな体にのし掛かられていてビクともしなかった。