あなたには責任があります!
 しばらくは、なにもなかった。動画を止めたのか、物音すらしない。
 バレなかった、のかな。
 そう思ったとき、躊躇の気配もない速度でスライドドアがカラカラと開いた。
「起きてますよね?」
「……」
 天史の声が間近で聞こえたことに硬直していると、羽毛布団をひっぱられて頭が出てしまった。ぎゅっと目をつぶって大きな枕に顔をうずめてみたけれど、天史の気配がもっと近づいてくる。
「見ましたよね?」
 ごまかしの余地もない言いかたに、美花梨は観念してうなずいた。
「あの、ごめ」
「責任とってもらいますから!」
「ええ?」
 思わず頭をあげてふりかえると、天史が羽毛布団をにぎりしめて美花梨を覗きこんでいた。
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