あなたには責任があります!
「本気です」
 背中に顔をうずめたままの天史の声が、肌を震わせる。
「だから美花梨ちゃん先輩も、イヤなら本気で拒否してください。そしたらお互い、なかったことにします」
 強気な駆け引きを装う声は、ずるさのカケラもなく、すがるように響く。
 天史が悲しいのはイヤだ。
 それだけはすぐに判断できた。
 つきあうってこういうことなら、わたしは。だって、傷つけたらつぐなわなきゃダメでしょ。それにもう、さっきからカラダが。熱い。熱くて。
「天史が、そうしたい、なら」
 動きを止めていた天史が、ゆっくりとうなじのほうにあがってきた。
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