あなたには責任があります!
 肌を這うあたたかい口唇のあいだから、さらに熱い舌が背筋をなぞる。酔って自分から天史を引き寄せたときはなんとも思わなかったのに、薄布一枚隔てた背中が甘くしびれる。
 もう「やだ」とか「だめ」とか言ってはいけない気がして、美花梨は枕に顔を押しつけた。
 ぎゅっとくっつけていた脚をもがくように開いたところに、天史の膝が割りこんできた。次いで、手は美花梨のヒザの裏から肌を撫で上げていく。腰のあたりに到達した指が、今度はポリエステルのつるつるした境界線を潜って、肌を直接たどり、降りてゆく。
 やがて混線した二種類の吐息に交じって、水音がした。
「んん……それは……」
 言い訳がつづかない。
「よかった……」
 ほっとしたような天史のつぶやきとともに、天史の指が丘の稜線をなぞる。
 ガマンしようとしたのに、ぴくりと腰が揺れた。
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